経済指標 景気回復を阻む?ペントアップ賃金デフレ
景気が後退する局面に入ると、企業は業績悪化に直面し、人件費を抑制する必要性に迫られます。しかしながら、多くの企業は、不況時であっても従業員の賃金をすぐに減らすことには慎重な姿勢を示します。 なぜなら、賃金の引き下げは、従業員の士気を低下させ、企業全体の活力を損なう可能性があるからです。企業は、将来の景気回復を見据えて、優秀な人材を確保しておくことの重要性を認識しています。もし不況時に賃下げを実施すれば、能力の高い従業員がより良い条件を求めて転職してしまうリスクがあります。また、賃下げは、従業員のモチベーションや忠誠心を低下させ、生産性やサービスの質の低下につながる可能性も孕んでいます。このような背景から、企業は、不況時に人件費を削減する圧力に直面しながらも、賃下げには慎重にならざるを得ません。その結果、不況という厳しい経済状況下においても、賃金水準は一定程度維持される傾向にあるのです。 これは、経済学では「賃金の硬直性」として知られており、不況からの回復を遅らせる要因の一つとして議論されることもあります。
