金利・為替 知っておきたい金融リスク:ヘルシュタット・リスクとは
- ヘルシュタット・リスクの概要国際的な商取引において、異なる通貨を用いる相手と取引を行う場合、通貨を決済するタイミングの違いが思わぬ問題を引き起こすことがあります。これが「ヘルシュタット・リスク」と呼ばれるものです。具体的には、海外の取引先と売買契約を結んだとしましょう。売る側は商品を引き渡し、買い側は代金を支払う約束ですが、それぞれの国で使う通貨が異なるため、銀行を介して通貨交換が行われます。このとき、売る側の銀行が買い側の銀行へ送金を行い、自国通貨での決済が完了したとします。しかし、時差の関係で、買い側の銀行はまだ自国通貨での決済が完了していない状況だと、思わぬ事態が発生する可能性があります。もし、買い側の銀行が自国通貨での決済が完了する前に倒産してしまうと、売る側は代金を受け取ることができなくなるのです。売る側はすでに商品を引き渡しているため、大きな損失を被ることになります。このようなリスクは、1974年に西ドイツのヘルシュタット銀行が倒産した事件をきっかけに広く知られるようになりました。これを機に、国際的な商取引においては、時差による決済リスクを常に意識する必要性が認識されるようになったのです。
