金利・為替 テキーラ・ショック:新興国通貨危機の教訓
1994年の年の瀬も迫った12月、メキシコを震源地とする経済危機が発生しました。この危機は、メキシコを代表するお酒である「テキーラ」になぞらえて、「テキーラ・ショック」と後に呼ばれるようになりました。メキシコ政府が、それまで固定レートを維持していた自国通貨ペソの価値を、突如として変動相場制に移行したことが、この混乱の始まりでした。この政策転換は市場に大きな衝撃を与え、メキシコペソはわずか数週間で、アメリカドルに対して約40%もの価値下落を記録しました。このメキシコ発の経済不安は、まるで伝染病のように、瞬く間に周辺国にも広がっていきました。特に、アルゼンチンやブラジルといった、当時経済発展の途中にあった新興国は、メキシコと同様に海外からの資金に頼っていたため、大きな打撃を受けました。こうして「テキーラ・ショック」は、メキシコ一国にとどまらず、世界経済全体を揺るがす大事件へと発展していったのです。
