経済政策 公共サービスの落とし穴:クリームスキミングとは?
近年、これまで国や地方公共団体など限られた主体によって提供されてきた、電気、ガス、水道、通信、鉄道、航空、医療、教育といった、国民生活に欠かせないサービスを提供する分野において、規制が緩和され、新規事業者の参入が促進されています。これは、事業者間の競争を促し、サービスの質や効率性を向上させることで、利用者である国民により質の高いサービスを、より低廉な価格で提供することを目的としています。しかし、規制緩和によって期待される効果ばかりではなく、注意すべき側面も存在します。その一つが「クリームスキミング」と呼ばれる現象です。これは、新規参入者が、既存事業者と比較して、採算が見込みやすく、収益を上げやすい分野や顧客層にのみサービスを提供し、採算が合わない分野や顧客層にはサービスを提供しないことを指します。例えば、都市部や人口密集地などの収益が見込める地域にのみサービスを提供し、地方や過疎地など採算が見込めない地域にはサービスを提供しないといったケースが挙げられます。クリームスキミングは、規制緩和によって新規参入と競争が促進される一方で、サービスの地域間格差や顧客層による格差を拡大させる可能性があるという点で、注意が必要です。規制緩和を進めるには、このような負の側面にも目を向け、適切な対策を講じる必要があります。
