経済政策 EUの農業を支えるCAPとは?
第二次世界大戦後、ヨーロッパは壊滅的な状況に陥り、食糧不足が深刻な問題となっていました。人々の生活は困窮し、安定した食糧供給は喫緊の課題でした。このような背景から、ヨーロッパ諸国は協力してこの問題を解決しようと決意し、その具体的な対応策として欧州経済共同体(EEC)を設立しました。1957年に調印されたローマ条約は、EEC設立の基盤となる重要な条約です。この条約の中で、加盟国間における経済統合の取り組みと並んで、農業分野における共通政策の実施が明記されました。これが、後に共通農業政策(CAP)と呼ばれるようになる政策の始まりです。CAPは、食糧の安定供給と農家の生活水準向上という二つの大きな目標を掲げていました。戦争の傷跡がまだ生々しい時代において、人々の生活を支える食糧の安定供給は、ヨーロッパ統合を進める上で欠かせない要素でした。また、農業従事者の生活を安定させることは、農村地域の活性化、ひいては経済全体の安定にも繋がると考えられていました。こうして、CAPはヨーロッパ統合の過程において、重要な役割を担う政策として位置付けられることになりました。
