ルール EU域内市場統合の立役者:ISDとは?
1993年5月、ヨーロッパ連合(EU)において、証券市場の活性化と統合を目的とした重要な法律が誕生しました。それがISD、Investment Services Directive(投資サービス指令)です。この指令は、EU域内における証券会社や証券取引所の業務範囲や認可、そして顧客保護など、証券サービスに関する包括的なルールを定めたものです。ISD制定以前、EU域内の証券市場は、各国独自の規制や慣習が存在し、市場が分断されていました。このため、企業は資金調達を円滑に行うことができず、投資家もEU域内全体で多様な投資機会を得ることが困難でした。そこで、ISDは、EU域内の証券会社に対して「単一の免許」制度を導入しました。これは、ひとつの国で認可を受けた証券会社は、他のEU加盟国でも自由に営業活動を行うことができるというものです。これにより、証券会社は、より多くの投資家に対してサービスを提供することが可能となり、市場全体の活性化につながりました。さらに、ISDは、投資家保護の観点からも重要な役割を果たしています。EU域内で共通の顧客保護ルールを定めることで、投資家は、どの証券会社を利用する場合でも、一定水準以上の保護を受けることができるようになりました。ISDは、EU域内の証券市場の統合と発展に大きく貢献し、その後の金融サービスの自由化に向けた重要な一歩となりました。
