その他 「第六次産業」:農業の未来を切り開く
人類の歴史は、幾度となく訪れた技術革新による産業革命とともにありました。蒸気機関の登場は第一次産業革命の火付け役となり、工場での大量生産を可能にしました。続く第二次産業革命では電力が主役となり、人々の生活は大きく変化しました。そして現代、情報技術が第三次産業革命を引き起こし、インターネットやコンピューターの普及は社会のあらゆる側面を変革しつつあります。そして今、新たな産業革命の波が押し寄せようとしています。それは、これまでの産業革命とは異なる様相を呈しています。第一次産業、第二次産業、第三次産業といった、これまで別々のものとして発展してきた産業の垣根が曖昧になりつつあり、産業の融合とも呼ぶべき現象が起きているのです。この新たな潮流は「第六次産業」と呼ばれ、東京大学名誉教授の今村奈良臣氏によって提唱されました。具体的には、農業や水産業といった第一次産業が、食品加工(第二次産業)や流通・販売(第三次産業)といった異なる分野に進出することを指します。例えば、農家が自ら栽培した農産物を加工して販売したり、漁師が獲れたての魚をその場で調理して提供するといった事例が挙げられます。第六次産業は、生産者と消費者をより密接に結びつけ、地域経済の活性化や雇用創出、食の安全・安心といった様々なメリットをもたらすと期待されています。
