金融政策 ポール・ボルカー:インフレと闘ったFRB議長
1970年代後半、アメリカ経済は深刻な不況と物価上昇の悪循環に陥っていました。これは「スタグフレーション」と呼ばれる、景気後退と物価上昇が同時に進行する現象で、国民生活は圧迫されていました。第一次石油危機の影響もあり、あらゆる物価が上昇する一方で、経済は低迷し、失業率も高い状態が続いていました。こうした経済の混迷の中、1979年、ジミー・カーター大統領はポール・ボルカーを連邦準備制度理事会(FRB)議長に任命しました。FRBはアメリカの金融政策をつかさどる機関であり、議長はその最高責任者です。ボルカー議長は、物価上昇を抑えることを最優先課題と位置づけました。そして、金融政策の大胆な転換という形で、実行に移していったのです。
