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ID2020:11億人の「見えない存在」に光を

私たち日本人にとって、身分証明書はごく身近な存在です。生まれたときから当たり前のように持ち、病院の診察券を作るとき、学校に入学するとき、そして大人になって選挙で投票するときなど、様々な場面で自分の存在を証明するために使われています。しかし、世界に目を向けると、約11億人もの人が公式なIDを持たずに生活しているという現実があります。これは世界人口の約7人に1人にあたり、膨大な数の人々が「見えない存在」として扱われていることを意味します。彼らは、生まれた国や地域で紛争や災害が発生したために移動を余儀なくされた人、貧困などの理由で出生届が出せない地域で生まれた人など、様々な背景を持っています。公式なIDがないために、銀行口座を開設できない、医療サービスを受けられない、教育を受けられないなど、基本的な権利やサービスを享受できない状況に置かれています。さらに、「見えない存在」であることは、人身売買や強制労働などの犯罪の被害に遭いやすくなるという深刻な問題も孕んでいます。自分を守る術を持たないまま、危険な状況に追い込まれてしまう可能性もあるのです。国際社会では、すべての人が平等に権利を行使し、安全に暮らせる社会を実現するために、IDの普及に向けた取り組みが進められています。これは、私たち一人ひとりにとっても決して無関係な問題ではありません。
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