税金 租税回避スキーム「ダッチ・サンドイッチ」を解明
世界中に活動の場を広げる多国籍企業にとって、法人税の負担を軽くすることは、経営上の大きな課題の一つとなっています。近年、その解決策として注目を集めているのが、「ダッチ・サンドイッチ」という租税回避スキームです。これは、複数の国に子会社や関連会社を置く企業が、それぞれの国の税法の違いを利用して、企業全体としての納税額を最小限に抑えようとするものです。「ダッチ・サンドイッチ」は、具体的には、低税率国に設立した子会社を通じて、利益や知的財産権などの資産を移転することで実現されます。例えば、ある企業が、高い法人税率の国Aで事業を行い、低い法人税率の国Bに子会社を設立したとします。この企業は、国Aで得た利益を、国Bの子会社に支払うロイヤリティや利息などの名目で移転することで、国Aでの課税所得を減らし、国Bで低い税率が適用されるようにします。このような租税回避スキームは、国際的な租税回避の防止に向けた取り組みが進む中で、近年、問題視されています。2021年には、経済協力開発機構(OECD)が、多国籍企業に対する課税のルールを統一するための新しい枠組みを合意しました。この枠組みでは、多国籍企業が、実際に事業活動を行っている国で適切な税金を納めるように、最低税率の導入などが盛り込まれています。今後、この新しい枠組みが導入されることで、「ダッチ・サンドイッチ」のような租税回避スキームは、効果を発揮しにくくなると予想されます。
